いつか旅に出る日

 

 

自粛27日目

マスターベーションにも飽きたころ

ふと窓から外を見ると、洗濯物が干しっぱなしだった

正直いつ干したのかすら覚えてない

同じような毎日の中で、毎日の境目が曖昧になっている

もう少しこのままにしておくことにする

 

 

大切な人たちのことを考える

遠くに住む家族や友達、近所に住む大学の同期

どこにいても結局会えないから一様に遠く感じる

距離があってもネットで会えて嬉しいけど

その度に距離がなければなと願う

あの人の大切な人の中に私はいるんだろうか

と一瞬考えたけど、怖くなって思考を止めた

 

 

これからのことを考える

したいこと、行きたいところ、会いたい人

「落ち着いたら」という枕詞だけが増えていく

今できることを楽しもうと思っているけど

先の見えない不安に押し潰されそうで

いつ叶うかわからない願いたちと

毎日慰めあって必死に適当に生きている

 

 

いつか旅に出る日のことを考える

波の音を聞きながら潮風で髪を傷めること

森の中で木漏れ日を浴びておにぎりを食べること

地方の食堂でオススメの観光地を教えてもらって

誰かを想ってご当地のお土産を買うこと

 

コンクリートのジャングルに迷い込んで、

人の群れの中でアスファルトの匂いを嗅ぐこと

床がベタベタしてる安い居酒屋に行って

瓶ビールを注ぎ合って、

ベロベロになりながら肩を組むこと

 

誰かに会うために電車に乗ること

 

大切な人たちにハグすること

 

 

ウクレレを練習している

いつか一緒に弾けるように